文化財の科学的な調査方法
仏像や文化財の科学的な計測、観察の方法の紹介です。
文化財の観察においては、非破壊検査というのが、多くの場合、前提になっています。
非破壊検査とは、文化財から資料を採取しないという事です。
わかりやすく言い換えると、検査のために、彩色層を削ったり、木材をはぎ取ったりはしないという事です。
■X線透過測定法
病院のレントゲン撮影と同じです。X線を文化財に照射し、X線の吸収の程度差をテレビカメラ、フィルム、イメージングプレートなどで
観測するものです。 病院での人間のX線写真を想像してください。全く同じものです。
鉄釘やカスガイなどの位置や、内刳りの有無。納入品の有無などが確認できます。
■赤外線観察法
赤外線と可視光線の波長差を利用した観察方法です。
ビデオカメラのナイトモード、赤外線監視カメラと同じ理屈です。
赤外線は炭素(墨、鉛筆)によく吸収されるらしく、汚れて判別しにくい墨書等を鮮明に写したりします。
■紫外線観察法
紫外線を試料に照射し、その一部は吸収され物質の分子を励起し蛍光を発する性質を利用した観察法。
昔の修理に使われた材料や、補修部分の判別に利用します。
■蛍光X線分析法
試料にX線を照射し、特性X線(蛍光X線)を測定し、試料がどの元素で構成されているかを分析する方法。有機物は不可です。
文化財の素材を分析する時に使用する。(※機械の性能によって結果が左右される事もたまにあるそうです。)
■年輪年代測定法
木材の冬目と夏目で構成される年輪の幅を測定する事により、それと試料の木材の年輪パターンを照合し、
試料の木材の伐採された年代を特定します。
誤差は10年ほどの範囲に収まるそうです。 ただし、調査する木材の年輪は最低で50年からだそうです。
また、表皮がついてない場合、伐採年代が特定できません。
実際に東大寺の仁王像の部材が調査され、その部材が造仏の数年前に伐採されている事などが確認されています。
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