仏像修復と日本文化を守る

仏像などを修理・修復する事によって日本の文化を守り、後世に伝えるのを目的としたサイトです。

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修理の簡単な説明

基本的に像の損傷の度合いに応じて、修復の程度はいくつかに分類されます。
右の「壊れ方の種類」を参照しながら見て頂けると、ご自分でも判断しやすいと思います。



全解体修復


全ての部材を一旦解体し、鉄釘やカスガイ、膠等を外して完全に解体します。
その際に、不適切な部材や等を取り除き、当初の造形に近づくような形に戻します。

[説明]
釘やカスガイが腐っていたり、特に、ニカワなどの接着力が失われ、ちょっと移動しただけで、バラバラになりそうな像に施行されます。
特にニカワの劣化に関して言えば、一見壊れていなくても、移動の際に、崩壊する事もあるので注意が必要です。

[利点]
修理の程度としては一番ランクが高い修理です。
このランクの修理は数十年〜100年に一度は確実に必要になります。
完全に解体して、悪いところは取り除くような…人の手術と同じようなものをイメージしてください。
釘やカスガイも新しいものになり、当然、接着剤も強化されます。
不適切な場所(昔に、適当に直されたような場所)も像の当初の姿に沿って、ある程度まで復元されます。

一度、この修理をおこなえば、大きな修理は今後、数十年から数百年(※保存状態が良ければ)に渡って必要ありません。
また、大きな修理だけに、その修理は絶対に信頼できる修復家に依頼する必要があります。
また、その修理がマズイ場合、最悪には修理をやり直す可能性も出てきます。

[欠点]
時間と手間がものすごくかかります。
小さいもので、半年。
1m〜1.5mのもので、修理に最低、1年はかかるものと考えてください。
信頼できる修復家でない場合、最悪、再修理を依頼する必要ができます。
しっかりとした、確実な修復家に依頼してください。


※壊れ方の種類[緊急度4〜5]参照してください。

部分解体修復


全てを解体しないで、今現在、状態の悪いところのみを修理します。
例えば、接着剤や釘が外れて、部材が落ちていたり、漆や彩色がそれ以上剥落するのを防ぐ処置をします。

[説明]
簡単に外れてしまったり、彩色や漆の剥落を防ぐ処置をします。
根本的な修理ではないので、将来、また別の場所を修理しなければならない可能性は出てきますが、そこまで、構造に問題がなければ、 全解体修理をしなくとも、部分解体修理で充分です。
ただし、全解体修理に準じますので、信頼できる修復家に依頼してください。

[利点]
今現在、悪い状態の所だけを修理するので、全解体修理にくらべると手間が時間がかかりません。
全解体修理に比べて、安く済みます。

[欠点]
根本から修理するわけではないので、対処療法的になります。
将来、別の場所が壊れてくる可能性があります。


※壊れ方の種類[緊急度3〜5]参照してください。

表面修理


表面の彩色の剥落、漆の剥落のみを再接合、強化、それ以上の剥落を防ぐ処置をします。

[説明]
ニカワの劣化により接着力の落ちた彩色層はぼろぼろと崩れていきます。
そういった彩色層や漆層を再接合します。
また、彩色層に関しては樹脂或いは自然系の接着剤を使って、劣化したニカワの接着力を補います。

[利点]
像自体は構造的に何ら問題ないが、表面の彩色や漆層にだけ問題があるときに、彩色や漆だけに修理措置を行えます。
全解体修理より手軽に行えます。
また、ペンキや不適切な塗り直しの復旧にも対応できます。

[欠点]
像にまだ残っている彩色や漆は強化できますが、一度完全に落ちてしまったものに関しては戻す事は不可能になります。


※壊れ方の種類[緊急度3〜4]参照してください。

応急修理


すでに壊れてしまっている部分のみを再接合します。

[説明]
落としたり、ぶつけたりして、一部壊れた状態にある像を一時的に修理します。

[利点]
一部だけの修理なので、時間や金銭的にも安く済みます。
手軽に修理が依頼できます。

[欠点]
あくまでも、一時的な修理です。
長い年月を保たせる事を前提としていませんので、注意してください。


※壊れ方の種類[緊急度3]参照してください。

メンテナンス 及び 表面清掃


全解体修理をした像でも、このランクの修理を数年に一度〜十数年に一度することによって、それ以上壊れるのを未然に防ぐ目的があります。

[説明]
像の構造自体には損傷が見られない場合は、表面の清掃も含めた小さな補修、剥落止め、色合わせ等を行います。
構造や彫刻に関しても、同様に問題があれば、小さな接着や補強などを行います。

[利点]
像のメンテナンスにあたるような修理です。
定期的に修理する事によって、早めの処置が可能になります。
全解体修理をした像でも、このランクの修理を数年に一度〜十数年に一度は必要になります。

[欠点]
あくまでもメンテナンスです。
像の構造体に問題があった場合、これ以上の修理をする必要があります。



※壊れ方の種類[緊急度1〜3]参照してください。
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